「日本政策金融公庫等の既往債務の借換」制度 検討してみてはいかがでしょうか

こんにちは。融資に強い専門家TGC沼尻です。


ここ何日間か東京の1日当たりのコロナ感染者数が500人を突破してますね。

北海道や大阪も感染者数増加中だし、ホントどうなっちゃうんでしょうね。

政府にもなるべく経済活動を止めるような施策は打って欲しくないところですが、感染者が増えるのも困るし、難しい局面かもしれませんね。


さて、その政府でも経済産業省や中小企業庁は、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業や小規模事業者のため、多くの支援策を打ち出してきました。

しかしあまりに数が多く、どの制度が自社に適切か把握できていない企業は少なくないでしょう。

そこで、より役立つ制度を紹介したいと考えながら経済産業省のサイトを見ていると、

ぜひ!今こそ!積極的に利用を検討していただきたい支援策が見つかったのでお知らせします。

それは「日本政策金融公庫等の既往債務の借換」制度です。


【もくじ】

1.新型コロナ対応融資の募集経緯をおさらい

2.公庫等の既往債務を有利に借り換え可能

3.注意点(1)「借換だけ」には応じてもらえず、新規借入が必要

4.注意点(2)金利がゼロになるのは3年

5.大きなメリット、最長5年の据置期間

6.借り換えの条件3点


-------------------------------------------------------


1.新型コロナ対応融資の募集経緯をおさらい

コロナショックの影響で売上が激減し、資金繰りに支障をきたした中小企業や小規模事業者を支援するため、2020年3月17日(火)から募集開始となった日本政策金融公庫の

【新型コロナウイルス感染症特別貸付】

しかし4~6月にかけてあまりにも申請が集中したため、公庫は申し込みを受け付けても実行が2~3ヶ月後と大幅に遅れていました。

(早い段階ですぐ申請した事業者ではすぐ実行されたところもあったようですが・・)

3ヶ月分の運転資金を確保できている中小企業はほとんどなく、そういう企業が資金調達を行うには困難が伴っていました。

それを補完するために2020年5月1日(金)から募集開始となったのが

【民間金融機関による実質無利子・無担保融資】

です。

この制度は公庫の【新型コロナウイルス感染症特別貸付】と同様に、3千万円までは実質無利子・無担保で借りることができる制度

(現在は国民事業の場合、上限4千万円になっています)です。



2.公庫等の既往債務を有利に借り換え可能

さてそこで今日みなさんにお知らせしたいのが、

「日本公庫等の既往債務の借換」制度です。

日本政策金融公庫、商工中金からの既存債務がある事業者に朗報です。

日本政策金融公庫等の【新型コロナウイルス感染症特別貸付】、商工組合中央金庫の【危機対応融資】について、各機関毎に既往債務の借換も可能とし、実質無利子化の対象にするという制度です。


●日本公庫等の既往債務の借換|経済産業省

https://www.meti.go.jp/covid-19/support/02/02_15.pdf


わかりやすく説明しましょう。

たとえば現在、日本政策金融公庫から2千万円を2.5%で借りているとします。

この事業者があらたに【新型コロナウイルス感染症特別貸付】を使って追加で1千万円借りようとした場合、既存の借入額2千万円+新規借入額1千万円=合計3千万円を、金利ゼロ・無担保で借り入れることができます。

既存の借入額2千万円×2.5%=50万円(1年分)の金利を削減することができるんですね。



3.注意点(1)「借換だけ」には応じてもらえず、新規借入が必要

この制度、残念ながら既存借入分の借り換えだけでは使えません。

かならず新規借入が伴わないと借換に応じてくれないのです。

しかし、100万円の追加融資でも大丈夫です。

たとえば公庫に既存債務がある状態で、民間金融機関からは新型コロナ枠で資金調達したばかりだとしましょう。

しかしあらたに資金需要が生まれ、既存債務のある公庫に新規借入を伴った借換をしようとすれば…

通常なら

「民間金融機関から必要資金を調達できていますよね? よって公庫では追加融資はできません」

と断られることでしょう。

しかし少額の追加融資だと、たとえ民間金融機関で資金調達したばかりでも、あまり細かいことは言われなくなります。



4.注意点(2)金利がゼロになるのは3年

ただし、未来永劫ゼロ金利というわけではありません。

3年しか金利はゼロにならないのです。3年後からは基準金利となります。

2020年11月2日時点の【新型コロナウイルス感染症特別貸付】の基準金利は1.26%~1.65%ですので、3年後以降は(今の水準のままだと)金利1.26%~1.65%ということになります。

 


5.大きなメリット、最長5年の据置期間

この制度の大きなメリットともいえるのが、返済期間を最長5年まで据え置くことができることです(実際には5年間認められることはまれで、長くて3年程度でしょう)。

上記の例だと、仮に3年間返済を据え置くことができれば、3年間で2千万円×2.5%×3年=150万円の金利を削減することができます。



6.借り換えの条件3点

日本政策金融公庫から借りている「既往債務の借換」を金利ゼロで行うための条件は、3つ。


(1)日本政策金融公庫等からの借入があること

(2)売上が前年同月比で5%減少していること

(3)新規分借入分と既存借入分の合計限度額が4千万円以下であること


この3点をクリアしていることが条件です。

●公庫等からの借入が残っていて

●売上が前年同月比5%以上減少しているなら

(切羽詰まった新規借入の必要性がなくても)、この「既往債務の借換制度」の利用を検討するのも一案です。

また、「いま自社にぴったりの支援策」が見つかりやすいので、このページもぜひ一度ご覧ください。


●新型コロナ対策サポートナビ|経済産業省

https://www.meti.go.jp/covid-19/support/index.html


----------------------------------------------------


ご相談、お問い合わせなどございましたら、Contactページよりお気軽にご相談ください。

TGC トップギヤコンサルティング

TGCは専門分野としての認識が必ずしも高くなかった「BtoBおよびBtoCの営業戦略」に関して、知見の集積を加速させ、また、本分野に関わる専門家や有識者とのネットワーク構築を通じて、最先端の営業戦略動向を把握することで、営業戦略機能の抜本的な強化と、それに基づく競争力の持続的な向上に寄与することを目指します。

0コメント

  • 1000 / 1000